こんにちは、かいとです。
この記事では、僕が2022年10月に国家資格であるデータベーススペシャリストに合格した際に使用した参考書や、勉強時間などを紹介します。
データベーススペシャリストはIPAの情報処理技術者試験の中でも最高レベルの試験で、試験も年1回の実施と非常に取りづらい資格となっています。
試験には十分な準備を行ってから挑みましょう。
僕は勉強の記録をとっていたことから、どのような勉強をしたかについてかなり詳細にお伝えできると思います。
前提
データベーススペシャリストについて
データベーススペシャリストは、毎年秋(10月)に1回だけ行われる試験です。
僕が受験した2022年10月の合格率はだいたい17%でした。
以前から17%前後を推移しているので、難易度としては変化していません。
合格率は低いので、しっかり勉強して臨みましょう。
データベーススペシャリストに求められる役割は、以下に述べられています。
要は、データやデータベースに関する技術やシステムの企画〜運用保守まで、十分な知識を持つことを想定されています。
データベースを扱うエンジニアはもちろん、データサイエンティストを目指す方は、持っていて損はない資格だと思います。
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/db.html
- データ管理者として、情報システム全体のデータ資源を管理する。
- データベースシステムに対する要求を分析し、効率性・信頼性・安全性を考慮した企画・要件定義・開発・運用・保守を行う。
- 個別システム開発の企画・要件定義・開発・運用・保守において、データベース関連の技術支援を行う。
受験時のスキル
受験時は、エンジニアとして転職して、ちょうど1年が経っていました。
経験としては、デベロッパーとしてコーディングがメインでしたが、MySQLを使ったシステムだったので、SQLに関しては一通り使ったことがありました。
副問い合わせに関しても、そんなにややこしいものでなければわかる、というレベルでした。
取得資格については ABOUT ページに載せているので、参考にしていただければと思います。
合格時の点数と勉強時間
合格点は、他の情報処理技術者試験と同様、午前Ⅰ〜午後Ⅱの4試験で、すべて60点以上を取ることです。
僕は2022年秋に一発合格できました。
この点数を取るのに費やした時間は、計76時間で、勉強期間としては7月〜10月でした。
午前Ⅰ得点 | 免除 |
午前Ⅱ得点 | 92 |
午後Ⅰ得点 | 92 |
午後Ⅱ得点 | 79 |
午前Ⅱ、午後Ⅰはかなり高得点で合格できました。
午後Ⅱも検討した方だと思いますが、もともと苦手だったこともあり8割に落ち着きました。
勉強方法
必要な勉強方法は、下記の3段階です。
まずははさらっとスピーディーに取得します。これは本を読んで行います。
次に午後問題対策です。データベーススペシャリストの午後問題は時間が足りないことで有名ですので、早めに慣れておきましょう。
最後に午前対策です。午後に比べたら午前は簡単ですので、隙間時間に過去問にて知識を補完します。
データベーススペシャリストの勉強は、
1.基礎力固めは早々に終わらせる
2.午前対策はスキマ時間に
3.午後問題の対策を早めに行い、慣れる
STEP 1.基礎力を固める
僕は基礎力固めを、7月中旬〜8月上旬に行いました。
かかった時間は24時間20分でした。
他のIPAの試験に比べて基礎固めの時間はすくなくすみました。
それは、午後試験では覚えることよりも、文章を読んで考えて答えを導き出すことが必要になってくるからです。
そのため覚えることは少なく、下記2冊で十分な知識を得られます。
いつもの定番。徹底攻略 データベーススペシャリスト教科書(15.5時間)
こちらは定番ですね。僕は情報処理技術者試験の高度試験を受けるときは、この本は必ず買っています。
電子版が無料でダウンロードできるのに加え、過去問の解説もダウンロードできるので、いつもこの本を中心に勉強しています。
こちらは15.5時間で読破しました。
まとまっててわかりやすい。データベーススペシャリスト 合格教本(8時間50分)
こちらはいつもは辞書として使っていますが、データベーススペシャリストに関しては普通に読破しました。
ボリュームも少なく、先ほどの教科書で知識を得てる方ならすぐに読み終わると思います。
ただ、このシリーズは毎年最新版が出ているのですが、この本は令和02年版を境に最新版が発売されなくなっていました(なぜ?)
出題範囲はしっかり抑えられているので、令和02年版でも問題ありません。
この時点ではこの本に載っている練習問題(過去問)は解いていません。
STEP 2.スキマ時間の午前対策
STEP 1で基礎固めをしたら、午前対策は過去問を解くのみで十分だと思います。
僕の場合は直前まで放っておき、9月の後半から試験直前までで2時間10分しか行いませんでした。
ただ、僕の場合は忘れてただけで、実際にずっと午前問題を解かないのは、かなり危険です!
一応STEP 1が終わった時点で1回は解いてみて、簡単だと思ったら放置しておく、という方がより安全ですので気をつけてください。
僕は合計4回分の午前試験を解きました。
似たような問題が多く、1回にそこまで時間はかからないので、反復して解くようにしましょう。
STEP 3.ひたすら午後問題の過去問を解く(49.5時間)
STEP 1で基礎力がついたら、午後試験をひたすら解きましょう。
僕は8月中旬〜試験直前までで、49.5時間を使い3年分の過去問と、データベーススペシャリスト 合格教本の第6章の問題を解きました。
これはもう、ひたすら解くのみだと思います。
ただし、必ず時間を計って実施してください。
おそらく、時間が全然足りない!という人が多いのではないでしょうか?
勉強のポイントをお伝えします。
午後Ⅰの勉強のポイント
午後Ⅰの近年の傾向では、主に下記の4分野が出題されます。
- データベース設計
主に概念データモデルのリレーションを描くのと、関係スキーマの穴埋めをする問題となる。
問題文を読み取ってそれを図に表すだけです。
上記のスタイルから、楽という声をよく聞くが、僕はこれが一番苦手でした。 - データベース実装
データベースを中心としたシステムを構築する問題となる。
SQLの穴埋めから、トランザクションレベルの制御、運用に関することまで幅広く出題される。
また、何ページを読み込んで、処理時間は何秒になる、という計算もたまにあります。 - データウェアハウス・SQL設計
テーブルの設計の見直しやデータの格納をテーマとしています。
SQLの穴埋めから、テーブル定義表の作成、データ数の見積もり(統計情報の算出)などが出題されます。 - トリガ設計(イレギュラー)
トリガに関する問題はたまーにしか出てきません。
枠としてはデータベース実装に似ていますが、トリガを中心とする問題となっています。
アドバイスとしては、全分野満遍なく訓練しておく方がいいと思います。
僕は、データウェアハウス(SQL設計)が一番得意で早く解けたため、それを早く片付けて、データベース実装に時間をかけて取り組もうと考えていました。
しかし、僕が受けた令和4年のテストでは「データベース設計」と「データベース実装」×2という、完全にプランにない出題をされたので、急遽設計と実装を1問ずつ解く羽目になりました。
合格したから良いものの、当日はかなり焦りました。
毎回バランスよく上記の分野が出題されるとは限らないので、まんべんなく勉強し、解けそうな問題を見つける力を養いましょう!
午後Ⅱの勉強のポイント
午後Ⅱでは、ここ6年は1問ずつ下記が出題されています。
- 概念設計
主に概念データモデルのリレーションを描くのと、関係スキーマの穴埋めをする問題となる。
午後Ⅰのデータベース設計の大規模版。 - テーブル設計及びSQL
説明は難しいですが、午後Ⅰのデータベース実装の難しい版となっています。
僕はこちらを選択しました。
ただし、これが1問ずつ必ず出題されるというわけではないので、そこは注意をしましょう。
近年はそんなことないですが、念の為どちらも勉強しておくようにしましょう。
終わりに
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回はIPAの高度試験の1つ、データベーススペシャリスト試験の勉強方法をご紹介しました。
実際に勉強する際のイメージは湧きましたでしょうか?
慣れあるのみだと思っているので、早めに勉強を始めることをお勧めいたします。
この記事が、データベーススペシャリスト試験を受ける方々の参考になれば幸いです。
ありがとうございました。
コメント