こんにちは、かいとです。
本日は、2022年6月に僕が独学で統計検定準1級に合格した際に使用した参考書や、勉強時間などを紹介します。
勉強記録をとっていたため、何に何時間かけたのか、どんな勉強方法だったのかを詳細にお伝えできると思います。
これから統計検定準1級を目指す方は、是非見ていってください。
少しでも参考になれば幸いです。
前提
統計検定準1級について
統計検定は、統計に関する知識や活用力を評価する資格試験です。
準1級の趣旨としては、ホームページにこう記載されていました。
ビッグデータ時代の到来とともに、統計的な考え方を身につけ統計学の様々な手法を正しく理解して、現実の諸問題の解決に役立てる力がますます求められる時代となりました。 自然科学や人文社会科学の学問分野にとどまらず、ビジネスでの日々の意思決定や政府の政策立案・評価においても、データに基づく客観的な判断が必要です。計算機の発達とともに統計学の諸手法を容易に使える環境が整ってきましたが、問題に応じて適切な手法を用い、結果を正しく解釈する能力をつけることによって、初めてそれらのツールを強力な武器とすることができます。統計検定準1級は、2級までの基礎知識をもとに、実社会の様々な問題に対して適切な統計学の諸手法を応用できる能力を問うものです。
統計検定準1級: https://www.toukei-kentei.jp/exam/grade1semi/
近年計算はツールを使い計算は誰にでも行えるようになってきましたが、適切な手法の選択、結果の解釈やそれをどう活かすか、という部分はまだまだ人に依存しています。
その部分を含め、統計を正しく使うための必須のスキルと言えますね。
また、「日本統計学会公式認定、総務省後援、文部科学省後援、経済産業省後援、内閣府後援、厚生労働省後援」と国家からも後援されていることがわかります。
データサイエンスがブームの今、かなり需要のある資格だと思われます。
難易度は、CBT方式では公開されていませんが、PBT方式の時は20%台でした。
試験はしっかり対策をされた方が受けるので、その中での20%というのは難易度が高い資格だと言えると思います。
受験時のスキル
受験時は、エンジニアとして転職して、8ヶ月が経っていました。
ただ、データ分析に関する業務には従事していなかったため、統計に関しては素人でした。
大学、大学院の時は数学をしっかり勉強していましたので、約3年ぶりに数学をしっかりと勉強した、というかなりブランクがある状態で挑んだ試験です。
(3×3行列の行列式の計算や、行列の対角化のやり方も忘れているレベル)
参考までに、受験時の保有資格を載せておきます。
- 中学校・高校の数学の教員免許
- 基本情報技術者試験
- G検定
- 応用情報技術者試験
- ネットワークスペシャリスト
- 情報処理安全確保支援士試験(セキスペ未登録)
合格時の点数と勉強時間
合格点は、60点以上です。受験後すぐ合否が出ます。
僕は2022年6月にCBTで受験し、一発合格できました。
ただし、65点とかなりギリギリでした。
また、この点数を取るのに費やした勉強時間は、88時間です。
CBTなので、7日以上あければいつでも際受験可能だったので、最初は練習のつもりで受けました。
もしお金に余裕があるのであれば、問題の傾向を知るのにもいい方法だと思っています。
勉強方法
僕が行った勉強方法は、公式テキストと公式問題集(つまり過去問)をひたすらやりこむ、という方法です。
取り組み方は後ほど紹介します(参考に僕がかけた時間も載せます)。
ただし、公式テキストは部分的にわかりにくい箇所もあるので、僕が勉強時に参照した他の本もご紹介します。
とにかく公式テキストと公式問題集をやりこむ!
理解できなかった部分は他の参考書で知識を補足する程度でOK。
公式テキスト&問題集への取り組み方
公式テキストと公式問題集は、こちらです。
この2つを効率よく使用して、合格を目指しましょう。
●統計学実践ワークブック(公式テキスト)
●統計検定準1級 公式問題集(過去問)
まずは公式問題集を最低1年分解く(4.5時間)
2021年6月の問題を解いてみましょう(参考書見ながらとかでも可)。
ただし、個人的には論述問題は解く必要はないと思います。
必要なのは選択問題および部分記述問題だけです!
問題の傾向をつかむのが何よりも大事です。
CBTの問題も似たようなものが出ます(さすがCBTに対応と書いてあるだけありますね)。
僕は意固地にテキストを1周読むことから始めたのですが、完全に時間を無駄にしました。。(このサイトでも、勉強時間にカウントしていません)
さらっと復習程度で1〜2時間気になった単元だけ読む、とかならいいですが、まずは過去問を解きましょう。
また、解かなくてもいいですが、より傾向を掴みたいのであれば2019年、2018年の問題も見ておくのはアリです。
ちなみに僕はこの時、既にテキストを1周していましたが、2〜3割くらいしか取れませんでした。
勉強の仕方を間違えてたんですね。。
過去問を意識しながら、公式テキストを読み込む(54時間)
「過去問を意識しながら」というのがかなり重要になります。
正直、この膨大な量を完全に理解してどんな問題が出てきても大丈夫、という状態にできるのはよっぽどの天才だけかな、と思っています。
僕は公式テキストを見ながら過去問を解いて、以下の方針で勉強することにしました。
- 各章の内容は7割以上理解する(式変形・手法の意味など、わからない部分は別参考書で補足)
- 章中の例問題と、章末の例題は完璧に理解する(超重要)
上記をやろうとすると、かなり時間がかかります。正直かなり時間をかけました(なんと54時間)。
それだけ重要だと感じたからです。
僕は数学書を読むときは必ずテキストに書き込むようにしています。
数学書の読み方などもいずれご紹介できればなぁ、と思っています。
どんな風に勉強してたか、一部僕のメモをお見せしたいと思います。
テキスト本文が見えないので、ちょっとイメージしにくいかもしれませんが、テキストをお持ちの方はこんな感じかぁと見てみてください。
※書き込みの内容が正しいものだと保証するものではありません、あくまで自分が納得するように書いているだけです。
● 公式テキスト6ページの書き込み
● 公式テキストP307右下〜P308右上の書き込み
こんな感じの書き込みを、気になった記載があったページに書き込んでいます(体感で3〜4割程度のページに何かしら書き込み)。
本文の説明文、式変形、章末問題や例題の解説、などに補足する形です。
自分が納得でき、かつ後で見直してまたすぐ理解できるようにしておきましょう。
僕は何度もこのテキストを見直したので(一通り読み終わった後は辞書的に使ってたので)、とても役に立ちました。
ひたすら過去問と公式テキストの章中・章末問題を解く(29.5時間)
あとは過去問題や公式テキストの問題をひたすら解くのみです。
もちろん、わからなかった箇所はテキストの見直ししたり、全然覚えられてなかったことは章の読み直し等してください。
章末問題は8割、過去問は6割(合格点越え)をできれば、ギリギリ合格できるレベルになると思います。
参考までに僕の過去問の実績を書いておきますね。
なお僕は、選択問題および部分記述問題だけ解いてます。
過去問の年度 | 正答率 | 解いた回数 |
---|---|---|
2021/06 | 最初の1回解いたきり(3割程度) | 1 |
2019/06 | 67.6% | 1 |
2018/06 | 61.6% | 1 |
2017/06 | 82.35% | 1 |
2016/06 | 78.8% | 1 |
2015/06 | 62.85% | 1 |
本当にギリギリの点数しか取れていないことがわかると思います。
先述した通り、万全の準備ができていたわけではなく、CBTなので気楽に1回受けてみようという感覚でチャレンジしただけです
参考にした書籍やサイト
僕が統計検定準1級の際に、がっつり読んだわけではないが部分的に参考にしたテキストや、過去問を解く際の解説を参考にしたサイトを紹介します。
まずは有名どころで、統計学入門。
見た目かなり堅そうな本かな、という印象を受けますが、中身の充実性とは裏腹に結構優しく書いてくれています。
僕は昔読んだことがあったので気になった箇所をペラペラめくっただけですが、まだ読んだことない方は読んでみることをお勧めします。
次はこちら、はじめてのパターン認識。
機械学習の手法がわかりやすく記されている本です。
僕は、本書8章のサポートベクトルマシンを参考にしました。
最後は、サイトですが、「あつまれ統計の森」です。
2017年〜2019年の過去問の解説を見ることができます。
また、偏自己相関やAR(1)モデルについても僕は参考にさせていただきました。
試験の準備
準備段階として意識しておいて欲しいことは2点あります。
CBTで解く準備
試験はCBT形式で、選択問題と計算結果をキーボードで入力する2つのパターンがあります。
注意していただきたいのは、算結果をキーボードで入力する問題です。
小数点何桁を四捨五入して、とかいう記述がどこかに書いてあるので、必ずそれに従ってください。
せっかく計算は合っているのに、小数点をミスってバツになってしまうのはかなり勿体無いですので。。。
人の手で採点されない分、部分点ももらえません。
これは普段から意識して問題を解くトレーニングをしましょう。
相棒の電卓を用意する
試験で使用する電卓を用意してください。
自分が使いやすいと思うものならなんでも良いですが、最低限ルートの計算とメモリ機能を備えたものが良いと思います。
オススメの電卓は色々なサイトで紹介されていますが、僕はこれを使っていました。
勉強の段階から使用して、試験までに使いこなせるようにしておいてください。
最後に
以上、統計検定準1級の勉強方法をご紹介しました。
これは数学系の資格の中でも、かなり難しい部類になると思います。
過去問をフル活用して、効率よく勉強を進めていきましょう。
本記事が、これから試験を受ける方々の参考になれば幸いです。
ありがとうございました。
コメント