E資格合格のための勉強方法と参考書【認定プログラム2個の比較レビューも】

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こんにちは、かいとです。久々の投稿になります。

本日は、2024年3月に僕が独学でE資格 2024#1(JDLA Deep Learning for ENGINEER)の資格試験に合格した際に感じた、必要知識やおすすめ参考書、勉強方法を紹介します。なんと、高得点で合格することができました。
またタイトルの通り、わけあって個人向けの認定プログラムも2個受講しましたので、その比較レビューと活用方法もできたらと思います。
ぜひ見て行ってください。

前提

E資格について

E資格は、ディープラーニングの基礎知識と事業活用能力を検定する資格試験です。年に2回行われています。
シラバスはこちらに公開されていますが、かなりの広範囲で高度な内容まで出題されます。また、2024#2からは新シラバスになります。
シラバスをまとめると、大きく分けて次の4分野が出題されます。
 ・応用数学
 ・機械学習
 ・深層学習
 ・開発環境

注意点としては、認定プログラムを修了しないと、受験資格が得られない点です。この認定プログラムは高額なものが多く、受験者がまだ少なめなのはこのハードルが高いからでしょうか?
最近は個人用に価格設定が低め(10万円以下)のものも多く出てきたので、ハードルは少しは下がったと思います。
僕は最安のものと9万円程度のものの2つの受講歴がありますので、後ほど紹介しますね。

合格点は公表されておりませんが、平均点や合格率はこちらに公表されています。今回僕が合格した2024#1の試験は、合格率が73%程度、平均点は6割程度を推移しています。
合格率は高いですが、逆に認定プログラムをしっかり修了した猛者たちが3割も不合格になってしまうと考えると、難しい試験であるといえます。
完全に個人的な見解ですが、X(旧Twitter)では、得点率が5割程度で合格と不合格が分かれていたように見受けられました。

受験後、3週間で合格発表となります(CBT試験ですが、合格発表まで時間がかかるので注意です)。
特に日付は決まっているわけではありませんが、3週間後の金曜日に毎回発表されているようです。今回は3週間後の金曜日の午前11時頃に合否メールが来ました。

受験時のスキル

受験時、直近取得したデータサイエンス関連の資格は、半年前に合格した「統計検定 データサイエンスエキスパート」でした。
また、普段から業務でPythonを用いてWebアプリケーション開発に携わっていることもあり、統計やプログラミングに関する知識は十分にあったと思います。

受験時の僕の保有資格は、自己紹介ページをご覧ください。

ただ、scikit-learn、PyTorchやTensorFlowを使用したことはなく、機械学習や深層学習プログラミングはほとんどやったことなかったため、そこが課題となっていました。

合格時の点数

先にお伝えした通り、合格点の公表はありません。
ただ、平均点は公開されているので、平均点と比べてみると下記の通りとなります。

分野僕の得点 (%)平均点 (%)
応用数学8658.90
機械学習9066.16
深層学習8861.17
開発環境8663.26
E資格分野別得点と平均点

この結果をみると、かなりの高得点で合格できているのではないでしょうか!
なお、合格までに要した時間は、127.5時間でした。

勉強方法とおすすめ参考書

使った教材は、下記となります。

  • 認定プログラム(DeepSquare:株式会社Present Square)のテキストと修了試験(模擬問題)
  • 参考書数冊

認定プログラムについては後述しますが、所感としては「認定プログラムの受講だけでは合格はできない」です。教材として上手に利用しましょう。

  • 認定プログラムは、テキスト(PDF)がついているものを選び、すぐに見直せるようにする
  • 認定プログラムは、模擬問題がたくさんついているものを選び、何周も解く
  • 認定プログラムだけではなく、参考書を買い自分で勉強しましょう

STEP 1: 修了認定をもらう

まずは、認定プログラムを修了しましょう。プログラムにもよりますが、DeepSquareではE資格の3週間前までに修了しなければ、その期のE資格は受験できないというスケジュールでした。修了認定が間に合わないということがないようにしましょう。
また、早めに修了することで、早くE資格に申し込みすることができます。テストセンターの席には限りがあるので、なるべく早く申し込みし、希望の日程と時間帯を確保しましょう。

なお、大体の認定プログラムがそうだと思いますが、修了にはコード演習と修了問題に合格する必要があります。
僕の場合は、認定プログラムを受講しただけだとPyTorchの理解が全くできなかったので、下記教材を一通り学習し、PyTorchを実装できるまで力を付けました。
下記書籍をまじめに取り組むと、E資格に必要なPyTorchの知識の大部分を身に付けられるのでお勧めでした!

なお、修了問題はテキストを見るなりGPTに聞くなり、とりあえず合格を目指せばよいと思います。
修了問題を調べながら、今自分がどれほど解けるのか、どの分野の理解が追い付いていないのかを把握できるからです。

STEP 2: 足りない分野のインプット

次に、自身が弱いと思った分野のインプットをしましょう。おそらく修了問題を解いたことで、苦手分野が明らかになったと思います。その分野を重点的にインプットしていきましょう。僕は下記参考書を用いました。

まず、深層学習周りの知識が足りないと感じていたため、下記本を読みました。これをしっかり読んだ後、再び修了問題を解くと、解ける問題が多くなっていました。

次に、強化学習の理論周りが全く理解できていなかったため、下記で勉強しました。人気シリーズの4作目ですが、やはりかなりわかりやすかったです。強化学習はこれ一冊で問題ないかなと思いました。

このゼロから作るシリーズは、①がディープラーニングと畳み込みニューラルネットワーク、②が自然言語処理なので、ここら辺が苦手分野の方はぜひこれで勉強してみてください。暗記ではなく、しっかりとした理解が得られると思います。

STEP 3: ひたすら問題を解く

ここまで来たらインプットは十分ですので、あとはひたすら問題を解きましょう。
僕が用いたのは、認定プログラムの修了問題(演習問題:400問程度)と下記の黒本です。
一部には、もう黒本は古く役に立たないと言っている方も見られましたが、僕としてがは非常に役に立ち、これがなかったらおそらく落ちてたと思います。

なぜなら、幅広い範囲を網羅した問題を掲載しているだけでなく、参考書にも劣らない非常に丁寧な解説がほぼすべての問題に対してついているからです。
僕自身、この本で初めて得た知識がたくさんありました。ですので、黒本はしっかり解くことをお勧めします。

僕はE資格前日までの間に、修了問題3周、黒本3周しました。最初の1周目は初見の問題が多かったり、解説を丁寧に読んだりでかなり時間がかかりますが、2周目になるとだいぶスムーズに解け、3周目ではほぼミスなしで解けるようになりました。
(なお、ただ問題と答えを暗記するだけだと本番の問題は解けないので、自分で納得して説明できるようになることが理想です)。

ここまで来たら、あとは自分を信じて試験に臨みましょう。

受講した認定プログラム(2個)の比較と活用方法

ここでは少し話は変わり、認定プログラムのレビューになります。同じのを受けないにしても、どんな観点で選べばよさそうかなど、参考にしてみてください。

なお、なぜ2個受講したのかといいますと、2年前にAIエンジニアへのキャリア転職を考えてラビットチャレンジを受講していたのですが、ITエンジニアへの転職が決まり、自分の中でITブームが訪れ、AIから離れてしまったということがありました。

それから2年経ち、ちょうど認定の期限が切れたとこで、またAIブームが再熱し、DeepSquareの受講に至ったという経緯です。
ですので、ラビットチャレンジのレビューは2年前のものですが、大きくは変わらないだろうということで記載していきます。ご了承ください。

受講した認定プログラム

ラビットチャレンジ(Study-AI株式会社)

https://ai999.careers/rabbit/
注意点として、先に記載のとおり2年前の情報です。ご了承ください。
例えば、TensorFlowやPyTorchがどういう講義内容化がわかりません(昔はなかったので)。

メリット

  • (おそらく)全認定プログラムの中で最安。入会金22,000円+月額3,300円で受講できます。2か月で修了すれば、3万円以下で受験資格を得られます。
  • AI実装検定A級を取得できる。昔はできましたが、現在は合格証の発行は行っていないようです。

デメリット

  • サポートが皆無。
  • 認定テストに回数制限があり、それを過ぎると課金して認定テスト受験権利を得なければならない。その割に認定テストが激むず。
  • ビデオは基本資料を読んでいるだけ。
  • テキストのダウンロードは不可で、専用のサイトでのみ閲覧可能。修了後退会してしまうと、テキストは見れなくなる。
  • 模試がない。

DeepSquare E資格講座(株式会社Present Square)

AIエンジニア育成講座(E資格講座) - 豊富な演習で合格率の高いE資格認定講座/DeepSquare
E資格対応! AIエンジニア育成講座 24年8月向け講座(オンライン動画) 受講形態:オンライン動画 受講料金

メリット

  • テキストがPDFでダウンロード可能。パワーポイントの資料をPDFにしたようなもので、1000ページほどありました。テストに出てくるモデルの特徴などが比較的まとまっています。
  • 模試(模擬問題)が400問程度ある。
  • 専用フォームから、質問が可能。

デメリット

  • ビデオは基本資料を読んでいるだけ。
  • 学習できるのはPyTorchのみで、さらに配られる教材のみで実装できるようになることは不可能
  • 模擬問題に解説がない。Googleフォームなので、ちょっと使いづらい
  • 個人向けにしては高め(96,800円)。僕の場合はラビットチャレンジの修了証がありましたので、半額で受けれました。

受講してみて思ったこと

どちらも、受講すればE資格に合格できる、というものではないということを実感しました。
ほかの認定プログラムを受けていないのでわかりませんが、個人向けのものは修了認定してもらうためのものと割り切ったほうが良いかと思います。
※ほかの認定プログラムはわからないので、ご自身で調べてみてください m(__)m

ただ、やはり「ダウンロードできる(形に残る)テキスト」と「模擬問題」は必須かなぁと思いました。
テキストは、E資格対策の際もそうですが、この先気になったことを調べるときに便利です。せっかく高い受講料を払っているので、何か形に残るものは欲しいところですね。
模擬問題も、黒本はシラバスが古いものに対応してしまっていますので、やはり最新の模擬問題は解いておきたいところです。
個人的にはこの2つさえあれば、どの認定プログラムでもいいかなと思っています。

試験の準備

CBTで電卓の持ち込み不可、さらにはすべて4択問題なので特段の注意事項はありませんが、下記2点だけ記載しておきます。

1つ目は、PyTorchかTensorFlowかを試験開始前に選ぶこと。問題を見てどちらを解くかは決められず、試験が始まる直前に決めてから開始しなければなりません。

2つ目は、CBTの画面の中で電卓機能があることです。僕は試験中に知りました。電卓の持ち込みはできませんが、電卓を使える機能が備わっています。ただし非常に使いにくいので、過度な期待はしないほうがよいでしょう。10キーを使えば、いくらかは使いやすくなります。

最後に

以上、E資格の勉強方法や参考書、認定プログラムについてご紹介しました。
E資格は受験までのハードルが高く、なかなか手を出しづらいかもしれません。
ただ、体系的にAIやその関連の数学のことを学べるのと、だんだんと資格としての知名度も上がってきていますので、ぜひ受けてみてはいかがでしょうか。

本記事が、これから試験を受ける方々の参考になれば幸いです。
ありがとうございました。

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